尾身茂氏は経歴が凄いうえに、現在新型コロナ対策専門家会議の副座長として活躍しています。感染症や国際保健の専門家である尾身氏の、経歴や評判、プロフィールなどを確認しました。
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尾身茂氏の経歴
尾身茂氏は自治医科大学の名誉教授であると同時に、現在は新型コロナ対策専門家会議副座長として責任を担っています。
経歴を振り返ると、まず目につくのが慶応大学の法学部に一旦入学しながら、自治医科大学に入り直していることです。しかも自治医科大学の1期生です。
法律から医学への転換には、どんな経緯があったのでしょうか。まずは年代を確認します。
尾身茂(おみしげる)
1949年:6月11日生まれ東京都出身
1965年:(推定)東京教育大学附属駒場高校入学
1967年:同校(後の筑波大学附属駒場高校)時代にAFS交換留学生としてアメリカに留学
1969年:慶應義塾大学法学部入学(1971年まで在学)
1972年:自治医科大学入学
1978年:自治医科大学卒業
1990年:医学博士号を取得(自治医科大学助手時代)
1990年:WHO西太平洋地域事務局に入る
1999年:第5代WHO西太平洋地域事務局長
2013年:WHO総会会長
2014年:地域医療機能推進機構(JCHO)理事長
(*略歴は当サイトによる独自のまとめで、公式発表ではありません)
筑波大附属駒場高校はご存知の名門校。その高校時代にアメリカ留学を経験し、後に慶応の法学部に入学していますが、2年間の在学で、自治医科大学に進学。
自治医科大学はご存知の方が多いと思いますが、学費がいったん貸与され、卒業後に指定された病院などに勤務することで免除される私立大学。その設立が1972年ですから、設立と同時に入学した尾身氏の活躍は、自治医科大学としても誇らしいというか、記念すべきことでしょう。
同大のサイトで、尾身氏の「世界保健機関(WHO)西太平洋事務局長選挙」について呼びかけたページがあります。
このたび自治医科大学教授尾身茂先生(自治医科大学1期生・地域医療振興協会会員)には、世界の保健医療の発展に貢献するために、日本国政府の決定により、世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局長選挙に立候補されました。
尾身茂先生は、昭和53年自治医科大学を卒業後、東京都において伊豆七島を中心とするへき地医療に従事、その後自治医科大学予防生態学助手、厚生省保険局医療課指導監査室特別医療指導監査官を経て、平成2年にWHO西太平洋地域事務局に入られました。
(http://www.jichi.ac.jp/omi/)
本来ならば尾身茂博士がWHOの事務局長になっていたはずなんだ。それが国際政治の力学で中国寄りの今のエチオピア人になった。
それ程の逸材が日本の新型コロナ専門家会議の副座長に鎮座している。
尾身博士は幼いころから非常に実直で真面目なお人柄でだったという。
とにかく、ここ1、2週間が勝負 pic.twitter.com/ao3Rtbd96O— スカーロイ&リーニアス 🚂 (@Skarloey_Engine) March 7, 2020
尾身茂氏ってめちゃくちゃすごい人なんだよね。西太平洋地域のポリオを根絶した功績者とのこと#専門家会議 #コロナ pic.twitter.com/TtYWVEJVrg
— 毎食スルメ (@maishoku_surume) March 19, 2020
自治医科大学で学び、僻地・地域医療従事という責任も果たして、WHOで活躍してきた素晴らしい人物なのですね。
近頃の新型コロナウイルスに関する報道で、尾身氏の姿を度々お見かけするわけですが、もともとその業績として着目すべき件は、小児麻痺(ポリオ)の根絶を達成したこと。
小児麻痺という名前自体が、時代の経過とともに耳にすることが少なくなり、現在は予防接種のワクチン名の一つポリオとして知られている傾向があります。いずれにしてもポリオがなくなったことは、人類の幸福に大きく寄与したことは確かでしょう。
以下はその著書
なお、尾身氏が医者を志したことについては、インタビューで、興味深いコメントがありました。尾身茂氏が大学受験しようとしたその時は、例の東大紛争のさなかだった模様。
それで東大の受験もなく慶応の法学部に入り、しかし学園紛争のさなかで慶応もストになりました。当時の学生たちは反権力や反体制を志向し、もし商社マンや外交官等になりたいと言ったら、人民の敵と言われかねない空気があったそうです。
そんな時に医学を志す契機となるある書物に出会い、医学部を目指すことに・・・
医学部受験を密かに決心し、両親に話す。
普段おとなしい父親は激怒、何とか母の仲裁で勘当は免れた。医学部受験の勉強を始めて数カ月後の秋、全国紙の一面トップの「自治医科大学、翌春1期性を募集」の記事が目に入った。
日本の「地域医療のメッカ」を目指すという。「地域医療」という言葉の響きが魅力的だった。しかも学費は無料だという。両親にこれ以上経済的に迷惑をかけるわけにはいかなかった。第一志望を自治医科と決めた。トイレと睡眠時間以外の猛勉強。運よく合格。
(https://www.jichi.ac.jp/exam/medicine/message/omi.html より)
この記事を読んで、進路を大転換した尾身氏の気持ちが伝わってきました。日本の医療を進める力の一歩が、一人の青年のなかで生まれていたのですね。
尾身茂氏がコロナ関連で重責
連日の報道で、「新型コロナ対策専門家会議副座長」という名称が流れます。実際は、聞き取れないというかコロナ関係だという印象に、一般人には伝わるのですが。
その名の通り、新型コロナに対して対策する専門家会議があり、尾身茂氏がその副座長という役割です。
ちなみに座長は誰かというと、国立感染症研究所長の脇田隆字氏になります。
ところで参議院予算委員会では、2020年3月10日に中央公聴会にて、「2人の専門家」から意見を聴取しました。その時の一人が尾身茂氏で、自民党が推薦した人物。もう一人が立憲民主党などが推薦した上昌弘氏(医療ガバナンス研究所理事長)でした。
二人の見解の相違は多少なりともあるわけですが、尾身氏が述べた点は以下になります(3月10日時点)。
・日本の現状は爆発的感染拡大には進んでいない。
・これから取るべき基本戦略として、社会経済機能への影響を最小限にしながら効果を最大限にするバランスの取れた方法がよい。
・3本柱として「早期のクラスター潰し」、医療体制の充実強化による「重症化防止」、感染拡大防止に向けた「市民一般の行動変容」が重要。
そしてこれらから感染拡大のスピードを抑えられる可能性もあることを氏はコメントしました。
3月20日の今現在、スピード云々については容易に言えないテーマですが、イタリアなど世界で起きていいる爆発的な感染者数増加に比べると、日本の現状はなんとか持ちこたえているとも言われます。
<必見!動画> 新型コロナ対策緊急対談 山中伸弥(京都大学iPS細胞研究所所長) 尾身茂(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 副座長) https://t.co/CylzvYiGtK
— アノニマス ポスト ニュースとネットの反応 (@vG2AZlCr4F3hx6Y) March 5, 2020
もちろん、コロナ問題が早期に安全に解決することは現在、まさに人類の願いとなっています。心配しすぎず安心しすぎず、できるだけ正しい方法で協力しあっていきたいものです。
なお、現在の立場として尾身茂氏は地域医療機能推進機構理事長という役割でもあります。
尾身茂氏の評判
尾身茂氏はこのように、WHOでの経験も豊かで、対策専門家会議での責任を全うしようとしています。尾身茂氏の評判云々はこんな時勢ですから、たまたま言葉としても探されているようです。
iPS細胞の山中教授が「日本が取るべき新型コロナ対策」について、専門家会議副座長の尾身茂氏に緊急インタビューされました。
・対策のゴールは「コロナによる死亡者を減らすこと」
・そのためには、感染者数のピークを遅く&少なくし、医療機関のパンクを防ぐことhttps://t.co/0p0StcksEo pic.twitter.com/kaV88ggvx9— しきな ゆか🇺🇸米国在住 教育研究員 (@shikinayuka) March 5, 2020
しかし、日々新しい情報が伝えられる昨今、活躍中の方のことを確かな根拠もないまま、あれこれ言う場合ではないですね。ネット上には政治的な意図から、いろんなコメントが流れるのですがーー。
尾身氏だけではありませんが、この難しい課題に専門家の方々の活躍を切に期待しています。