前田浩氏は崇城(そうじょう)大学の特任教授&熊本大学名誉教授で、2016年のノーベル化学賞の候補者になっています。現在77歳。
一般に「ノーベル賞予測」と言われますが、それは「トムソン・ロイター引用栄誉賞」を受賞したという意味で、前田浩氏は「がん治療における高分子薬物の血管透過性・滞留性亢進(EPR)効果の発見」 においての受賞となります。同じ案件で松村保広氏(国立がん研究センター分野長)も受賞されています。
お写真はこちらから、ステキな教授ですね。
なんと、崇城大からノーベル賞有力候補❢❢
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先に、崇城大学とは? と確認しましたら熊本市の私立大学で、2000年までは「熊本工業大学」でした。地元の方には今さらですみませんが、薬学部や工学部、生物生命学部などを擁する総合大学です。
前田浩氏は2004年に熊本大学を退官されて(1971年〜)、熊本大学名誉教授になられています。おそらく65歳くらいの区切りで国立大は名誉職となり、熊本つながりで以降崇城大学で特任教授をされているのか・・と、これは推測です。
崇城大学の前田浩教授の経歴はおよそ次のようになります。
1938年 兵庫県生まれ
1957年3月 兵庫県立龍野高等学校卒業
1962年3月 東北大学卒業
1964年6月 カリフォルニア大学大学院修士課程修了
1968年3月 東北大学大学院博士課程修了
1968年4月 東北大学医学部細菌学講座助手
1968年5月 ハーバード大学癌研究所主任研究員
1971年10月 熊本大学医学部微生物学講座助教授
1981年4月 熊本大学医学部微生物学講座教授
2004年3月 熊本大学退官、4月 熊本大学名誉教授
2004年4月 崇城大学薬学部教授
兵庫県の出身で出身大学は東北大学(農学部)。留学も経て多々活躍し、熊本大学で長年にわたり研究されてきた方です。あるインタビューでは学生に対して研究の持続性について強調しておられました。
ちなみに県立龍野高校は旧制中学からの歴史ある高校です。また前田浩氏の受賞は多々受けられているのでその一部だけは、以下のようになります。
1989年 米国サンアントニオ市名誉市長
1995年 日本細菌学会浅川賞
1997年 高松宮妃癌研究基金学術賞
1998年 ドイツ連邦共和国 E. K. Frey-E. Werle 財団 金賞
2007年 王立英薬学会にてLife Time Achievement Award受賞
2010年 CRS College of Fellows Award 受賞
2011年 日本DDS学会永井賞受賞
2011年 「日本癌学会 吉田富三賞」受賞
トムソン・ロイター引用栄誉賞を受賞されて、前田氏は次のようにコメントされました。
癌に薬剤をピンポイントにターゲッティングするEPR効果発見から30年を経て、それがようやく世界に広く浸透し、この度、トムソン・ロイターによって評 価されましたことに対し研究者としてこの上ない喜びを感じております。
この受賞により、EPR効果の原理を充分に理解した癌治療法の臨床への応用に広く関心を持っていただけることと思います。
(トムソン・ロイター 2016年プレスリーフ より)
専門書は多々あることでしょうけれど、一般に公開されている書籍ではこちらがあります。活性酸素と野菜の力 (21世紀の健康を考える)
ノーベル賞の2016年の受賞候補としては、医学や生物学だけでも上記のように松村保広氏、さらに本庶佑(ほんじょたすく)氏もおられます。
知られるようにノーベル賞は候補に上がってからも長いという傾向があり、今年か?とか、今年こそ!とか、期待すればこそ、こちらもハラハラだったりします。しかし、やはり日本からの受賞は楽しみです。
参照:本庶佑(ほんじょたすく)ノーベル賞候補のご家族やSTAP等・・