モニタリングとは何でしょうか。豊洲市場の地下空間が、技術系の職員からモニタリング空間と呼ばれていたというニュース(9月19日朝日新聞デジタル)がありました。
モニタリングとはすでに耳に慣れているため、今さらどういうこと? というのもなんですが意味としては、次のようになります。
「日常的かつ継続的な点検のこと」・・・はてなキーワード
「監視すること。観察し、記録すること」・・・デジタル大辞泉
「通常は監視の意味で用いられるが、自然環境では地域の自然環境状況について継続的あるいは定期的に調査を実施すること」・・・農林水産関係用語集
「1 状態を監視すること 2状態を把握するために,観測や測定を行うこと。製品・サービスについての感想や評価を調べること」・・・大辞林
「コンピューターシステムの性能評価を行うこと」・・・ASCII.jpデジタル用語辞典
ーーー辞書の言葉をここで並べても仕方ないのですが、TBSの「ニンゲン観察バラエティ モニタリング」も有名なため、改めて言葉の意味にこだわってみました。
しかし豊洲市場との関わりで問題なのは、仮に「点検」とか「監視」という意味で捉えると、地下に空間を作るのが、点検のためというのは、
危険が想定されるから?
想定されるとしたら、かなり想定されるのか、それとも点検という範疇を超えて対応の方に重点が置かれるのか、そこが疑問です。
「全体に盛り土」答弁4年 都、設計後も議会で 豊洲市場:朝日新聞デジタル https://t.co/bs7UN2LcKx
この「モニタリング空間」とやら、作業場の用途なら階指定も床面積も発生するし消防設備も必要になるが、計画通知や消防同意どうなってんですかね?
— ひあうぃー剛 (@herewe5) 2016年9月18日
危険がどの程度想定されるから、モニタリングが必要とされたのか。これが疑問の一つですが、もう一つは単なる点検ではなく、いざ危険が察知されたら対策として「パワーショベルが作業できる場所」であるとされており、パワーショベルで緊急作業が必要なほど危険なのか、ということ。つまり二つと言っても疑問は危険度に尽きます。
都幹部によると、都中央卸売市場内には「対策は十分だが、万が一、土壌汚染問題が再発した場合のリスクヘッジ(危険回避)を講じておく必要があるのではな いか」との声が根強くあった。「有害物質が出たら、土を掘り起こして作業をしなければならない」との指摘もあり、パワーショベルが入れる空間を確保するこ とになったという。
(毎日新聞 9月18日)
これは、受け取り方によっては、単なる盛り土よりももっと安全対策を施したからこうなった・・・という意味かもしれません。
しかし、それにしても、都民としては、「で、結局、安全なの?」という疑問が湧きます。
上記の毎日新聞記事の続きですが、
別の元局長級幹部は、都中央卸売市場が事実を公表しなかった背景について「『パワーショベルを入れるため』と明かせば、『土壌汚染対策は万全ではないのか』という話になる。問題が広がらないようにと考えるのは、事務方特有の発想だ」と説明した。
・・・確かに、問題が広がらないようにという考えは、理解できないわけではありません。しかし、豊洲新市場をめぐっては費用の問題もあります。
あえて単純に考えてみると、仮に中学生の生徒会のような組織だとしても、
「A案が決まっていましたが、問題があるためB案にしたい」
という事案があったらしかるべき機関に確認するでしょう。さらに
「ただしB案にすると予算が100だったものが300になります。OK?」
といったシンプルなことも、飛ばすわけにはいきません。
莫大な費用になっていった一つ一つのプロセスで、チェック機能が働かなかったのか、ここは素朴に不思議です。
報道されているように、基本設計が完成しているのに、都議会ではその後も「4.5メートルのきれいな土で覆っている」と繰り返し、答弁されてきました。
答弁した本人が、嘘を言えるはずはないと思います。極端に言えば「誰も悪気はなかった」とも言える??
いえいえ、都民の税金を使った話なので、仕方ないというわけにはいきません。まだまだ課題の途上・・・