『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』が石原さとみの主演で始まります。登場人物は石原さとみの演じる「河野悦子」以外はまだ不明です。
(2016年10月、水曜日の22時00分〜 日本テレビ)
しかし、その相手として覆面作家は出てくるので、それは誰が演じるのか興味津々です。また校閲と校正はどう違うのでしょうか。これは下の方に述べます。
*覆面作家が出るだろうとは原作に拠ります。イケメン覆面という不思議な人物。しかしドラマ版でどれくらい忠実に登場人物が配置され、どんなキャストになるか、まだなんとも言えません。
ところで「地味にスゴイ」とは言い得て妙なタイトルなのでしょう。しかし地味にスゴイとは・・・と思って公式サイトを見ると、脚本家の中谷まゆみさんの次のコメントがありました。
本当にやりたい仕事をしている人が、世の中にどれだけいるだろう。
このドラマの原作「校閲ガール」の主人公、河野悦子も、本当はファッション誌の編集者になりたいのに、出版社イチ地味な校閲部に配属されてしまう。
なるほど・・・しかし、ここまでは地味な部署に配属されたという説明。
でも悦子は諦めず、夢に向かって突き進む。
口は悪いが、媚びずにぶれずに我が道を行く悦子を、私は大好きになった。
自分のいるべき場所はここじゃない、そう思いながらも頑張っている人たちに、元気とエールを送れるドラマを目指します。
・・・河野悦子は、校閲の仕事をしながら、自分の居場所だとは思っていないようです。しかし「そう思っている」無数の人たちへのエールなのですね。
東京メトロのさとみちゃん♡可愛かったらRT #石原さとみ pic.twitter.com/a2ff6Abz3H
— 石原さとみちゃんねる (@IshiSatoCh) 2016年8月18日
本当は○○の仕事をしたかった。 これだけ切り取ると、愚痴になってしまいますが、そうでなく与えられた仕事で悦子は、ぶれずに行くようす。
ところで校閲なんですが、辞書的に校閲とは・・・を確認すると以下です。
( 名 ) スル
印刷物や原稿を読み,内容の誤りを正し,不足な点を補ったりすること。 「原稿を-する」 「 -を受ける」 (大辞林より)
なるほど〜赤ペンで書き込むような様子が目に浮かびます。
しかし、これだけでは曖昧な気もします。たとえば、安倍マリオを阿部マリオと表記していたら、間違いなので訂正するはずですが、これは校正。
いや、本日の話題なので例がおかしかったかも。茨城県を茨木県と書いたら、校正で茨城県に直すはずです。では校閲とは・・・
校閲と校正はどう違うのでしょう。
校閲とは、上記のように文書や原稿などを読んで、内容の正誤や適否を確認する作業のことになります。
校正は、出版社によってあらかじめ決められたルールに従います。たとえば「子供」と表すか「子ども」と表すかは、媒体によって決まっています。また縦書きの本をイメージしていただきたいのですが、「昭和58年」とするか「昭和五八年」とするかは、本によって一貫します。
当然のような話ですが、同一の書籍のなかで特に理由(引用だから等)もなく、「さっそく」と「早速」があってはおかしいです。
このように、校正はルールがあって、ルールに従って作業として行うものと考えると、校閲の中身をしっかり読むという作業とは少々違ってきます。極端に言うなら読むというよりも文字をチェックする、と言っても良いでしょう。
また、印刷の段階で1校、2校など次々と原稿が挙がってくる段階で、前回の指示が反映されているか、確認する作業も、校正になります。
一方で校閲は、内容の正誤や適否をチェックするというと、事実確認という作業が必要になります。歴史ドラマでは時代考証が必要なように、固有名詞や地名、あるいは飛行機の発着便などにあきらかに矛盾した内容があってはいけません。
こう書いてくると、フリーでものを書いている人も多い昨今。仕事なら、知らず知らずのうちにも校閲も校正も頭の中でこなしているに越したことはありません。
ドラマではその事実確認のために躊躇わず行動する石原さとみさんが描かれそう。
ところで、いま放送中の日テレ『家売るオンナ』で興味深い場面がありました。
ズラリと並んだ校閲部の人たち。見えるだけでも30人以上。机の配置やスーツ姿の男性など、普通の会社みたいである。間違い探しにしても間違いが多すぎる印象。 #家売るオンナ pic.twitter.com/dBaY9oKa5j
— 粋々崇鱈辣太 (@sudara_2012) 2016年8月12日
(仕事の現場からは色々意見もあるようですが・・)
『家売るオンナ』では、地味な独身OLの草壁歩子(山田真歩)さんが2000万の貯金を使ってマンションを買おうとしたけれど、貯金が全て無くなってしまうという不安から、やはり止めたいと・・・
そこで草壁さんが校閲の仕事をしている会社の校閲部にいきなり入っていって、アリとキリギリスの話を始める三軒屋万智(北川景子)と庭野(工藤阿須賀)・・・
そこはドラマだから、突っ込みどころもあって面白いのですが、(ちなみに『家売るオンナ』はじつに面白くてよくできたドラマだと思っています)
校閲部の地道なお仕事もまたアリそのものではないでしょうか。真面目にコツコツ働く姿は勤勉な我々日本人の美徳そのものです。皆様のお蔭で日本語は未だ死なず、活字文化は守り育てられています。ありがたいことです。
書籍を愛する読者でさえ、校閲の方の存在を知る方は少ないでしょう。スポットライトの当たる作家の裏にかけがえのない校閲部の仕事があることを誰も知りません。感謝もしません。
( 『家売るオンナ』中の三軒屋万智のセリフ)
・・・と何のかんのと、結局、家を買う草壁さんでした(まさに家を売るオンナでした)。
『家売るオンナ』の次に『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』が始まるのですからこれは上手な番宣ですが、いやなイメージはまったくありませんでした。上手いですね。
たしかに上記のように、あんなに広い整然とした普通会社員のようなスペースで校閲をしているか等々は、突っ込みどころかもしれません。
・・・というわけで校閲ガールの登場人物やキャストの情報がまだ明らかでないため、情報が入り次第追記します。校閲という作業がどう描かれるか、楽しみです。
続きは・・・地味にスゴイ校閲ガールのロケ地、八王子の小宮公園と中田公園